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組込みGUI開発ツールTouchGFXにユーザ体験を向上させるビデオ再生機能を追加

2021年10月21日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、汎用32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32*ファミリ向けの組込みGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)開発ツール「TouchGFX」をアップデートしたことを発表しました。最新のTouchGFXバージョン4.18には、ビデオ再生機能が新たに追加され、開発者の共同作業用ツールが強化されています。また、開発エコシステムとして新しいディスプレイ拡張ボード(X-NUCELO)に対応しています。

Motion JPEG(MJPEG)ビデオ・ファイルの再生が可能になったTouchGFXは、スマート・ホーム機器や、ウェアラブル機器、医療機器、産業用センサなど、より魅力的で使いやすい小型製品の実現に貢献します。また、手順ガイド、エンターテインメント性の高いスタート画面や一時停止画面といった豊富な機能により、ユーザ・インタフェースを強化することができます。開発者は、独自のMJPEGファイル、または、TouchGFXで提供されるサンプル・ビデオを使用することができます。さらに、グラフィック・アプリケーションを作成・管理・ビルドするためのPC用ツールであるTouchGFX Designerには、新しいビデオ・ウィジェットが追加されています。開始、停止、繰り返し、フレームへの移動などのプロパティが含まれているため、試作開発を簡略化すると共に、アプリケーションにドラッグ・アンド・ドロップで簡単に追加することができます。

TouchGFX バージョン4.18では、ソフトウェアまたはハードウェアによるビデオ・デコーディングが可能です。ハードウェアによるデコーディングは、STM32F769マイコンSTM32H7B3マイコンなど、適切なデコーディング・ペリフェラルを搭載した製品で行うことができます。ソフトウェアによるデコーディングは、STM32G0シリーズを除く全シリーズの製品で可能です。フレーム・バッファへのダイレクト・レンダリングや、ダブル・バッファリングなど、さまざまなビデオ・バッファリング手法を使用することができるため、メモリ使用量と性能の最適化に貢献します。

また、TouchGFX バージョン4.18では、テキスト・データやその翻訳データの保存にXMLを使用することで、共同作業用のツールが強化されています。これにより、複数のメンバーを含むプロジェクトにおいて、さまざまな要素の共有や統合を簡略化することができます。RAM使用量を大幅に低減するパーシャル・フレーム・バッファ、ティアリング・エフェクトを防ぐ超高効率レンダリング、メモリ・マップド方式ではない低コストのSPI Flashへの対応など、従来搭載されている利便性に優れた強力な機能も引き続き利用可能です。

TouchGFX 4.18には、新しいビデオ再生機能の使用方法や、一般的なSTM32開発ボードに必要なTouchGFXボード設定(TBS)を紹介するサンプルが含まれており、組込みGUI開発を簡単に始めることができます。

また、GUI開発プロジェクトの迅速な立ち上げをサポートするため、ディスプレイ拡張ボードのアップデート、および新しいボードが追加されました。STM32 Nucleo 64ボード向けの「X-NUCLEO-GFX01M2」は、2.2インチのQVGAシリアル・インタフェース・ディスプレイを搭載し、アップデートによって「NUCLEO-WB55RG」に対応したため、Bluetooth® アプリケーションにディスプレイを簡単に追加できるようになりました。STM32 Nucleo 144向けの新しいディスプレイ拡張ボード「X-NUCLEO-GFX02Z1」には、高速パラレル・インタフェースとQSPI Flashメモリが搭載され、「NUCLEO-U575ZI-Q」などをサポートしています。「X-NUCLEO-GFX01M2」および「X-NUCLEO-GFX02Z1」は、いずれも最新のTouchGFXに対応しています。

TouchGFX 4.18は、STのウェブサイトから無償で入手可能です。新しいディスプレイ拡張ボード「X-NUCLEO-GFX02Z1」は現在入手可能で、「X-NUCLEO-GFX01M2」は、2021年12月に提供が開始される予定です。両製品共に、参考価格は約35.00ドルです。

詳細については、STのウェブサイトをご覧ください。

また、ブログ記事もご覧いただけます。

 * STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。