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先進的な高効率電源ソリューションの開発期間を短縮するデジタル電源開発用のSTM32エコシステムを発表
・STM32 D-Power開発エコシステムがSTM32マイコンを使用したSTM32革新的なデジタル電源開発用のリソースを統合 ・STM32 D-Powerのウェブサイトに組込みソフトウェア、開発キット、デモボード、ツール、ドキュメント、トレーニング教材を一元化 ・STの認定パートナーでデジタル電源を専門とするBiricha Digital社が実践的なワークショップを開催
2020年6月18日
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、32bitマイクロコントローラ(マイコン)「STM32ファミリ」を使用したデジタル電源ソリューションの開発をサポートするウェブベースの開発エコシステム「STM32 D-Power」を発表しました。
デジタル電源は、電力効率の最適化や、診断機能と安全性の向上に重要となるさまざまなデータの収集を実現します。また、デジタル制御により電力密度を向上できるため、データ・センターや5Gインフラ、スマート照明、モバイル機器などにおいて重要となる電源の小型・軽量化が可能です。
STM32 D-Powerでは、オールインワンのSTM32デジタル電源用開発キット、組込みソフトウェア・コンポーネント、STの認定パートナー企業であるBiricha Digital社製のソフトウェア・ツール、さまざまな設計と電源を実現できる専用の電源ボードなどを含む開発者向けのリソースを使用することができます。また、電源設計の初心者からエキスパートまで対応する、さまざまなドキュメント、動画および技術情報が提供されるほか、Biricha Digital社による4日間のハンズオン・ワークショップでは、STM32マイコンを使用したデジタル電源の設計方法を学習することができます。
STM32 D-Powerは、業界標準のArm® Cortex®-Mコアを搭載したエントリ・レベルのSTM32F334ライン、上位レベルのSTM32G474ライン、高性能のSTM32H7シリーズに対応しており、デジタル電源用に最適化された機能を搭載しています。また、柔軟性に優れた高分解能タイマを搭載し、スイッチング電源回路の安定制御に必要な高精度パルス幅変調(PWM)信号の生成が可能です。
STのマイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるRicardo de Sa Earpは、次のようにコメントしています。「STM32 D-Powerは、デジタル電源の学習から設計、活用までをサポートし、スマートかつ環境にやさしい小型・軽量のソリューション開発に貢献します。初心者からエキスパートまで、幅広いユーザが自身の専門性を高めつつ、STM32ファミリを使用した高機能かつ高効率のデジタル電源を迅速に開発することができます。」
Biricha Digital社のAli Shirsavar博士は、次のようにコメントしています。「私たちが開発したSTM32 D-Power開発エコシステム対応の組込みソフトウェアと実践的なワークショップは、デジタル電源設計のあらゆる段階で高い価値を提供します。顧客はこれらのリソースを簡単に利用することができ、すぐに設計を開始するだけでなく専門性を高めることも可能です。」
STM32 D-Powerのウェブサイトでは、無償の技術資料やリソースも提供しています。
技術情報
STのSTM32 D-Power開発エコシステムでは、デジタル電源と力率補正回路(PFC)設計についての基礎的な技術情報を説明した初心者向けのオンライン・プレゼンテーションが用意されています。また、STM32G474RET6マイコンをベースとしたB-G474E-DPOW1開発キットや、STM32F334用開発ボード(STM32F3348-DISCO)をはじめとするハードウェアおよびソフトウェア製品を利用でき、関連動画、LED制御やSTM32 HRTimerについてのアプリケーション・ノートも提供されています。
また、Biricha Digital社が開発した電源設計ソフトウェア「ST-WDS」およびPFC設計ソフトウェア「ST-PLD」が含まれており、STM32を使用する開発者は専用バージョンを無償で利用可能です。B-G474E-DPOW1上で降圧 / 電流モードと降圧 / 電圧モードの動作が可能な組込みソフトウェア・サンプルも用意されています。このソフトウェア・サンプルは、STM32マイコン用のソフトウェア・パッケージであるSTM32Cubeとの互換性を持っています。ソフトウェア・サンプルおよび回路トポロジは、今後さらに追加される予定です。
PFC付きのデジタル電源用評価ボードは、トーテムポールPFC、LLC共振フル・ブリッジなどを含むさまざまなトポロジ、およびフロントエンド整流回路や完全なAC-DCスイッチング電源など500W以上の定格電力で利用することができます。
ハンズオン形式で4日間にわたって開催されるBiricha社のワークショップは、DC-DCおよびオフライン・アプリケーション向けの電圧モード / 電流モードでの安定した電源およびPFC回路の設計方法を学ぶことができます。さらに、STM32F334およびSTM32G474向けに、STM32 D-Powerで提供されているハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェア開発キットを活用した練習課題も用意されています。
STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。