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STM32マイコンのメモリ / CPU負荷を軽減するTouchGFXのアップデートを発表
2019年10月28日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STM32 マイクロコントローラ(マイコン)向けのグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)開発ソフトウェアであるTouchGFXのアップデートを発表しました。よりスムーズかつダイナミックなユーザ・インタフェースを実現し、メモリとCPUの負荷を軽減する新しい機能が追加されています。
TouchGFXには、STM32開発エコシステムの無償ツールで、高度なユーザ・インタフェースを設計および設定できるPC用ツール「TouchGFX Designer」と、高性能なGUIを端末上で実現するソフトウェア「TouchGFX Engine」の2つが含まれており、今回はどちらも最新アップデート(バージョン4.12)の対象です。外付けのRAMやFlashメモリを使用することなく、ワンチップのディスプレイ・ソリューションにおける洗練されたユーザ・インタフェースを構築でき、消費電力の削減によるバッテリの長寿命化、開発期間の短縮および簡略化が可能です。
TouchGFX Engineの新しいパーシャル・フレームバッファ・モードでは、わずか6KBのRAMでバッファを動作させることができます。ユーザ・インタフェースは16KBのRAMで完全に機能するため、エントリ・レベルのSTM32マイコンでも外付けメモリを使わずに優れたユーザ体験を実現できます。また、16bit、24bit、および32bitのパレットを備えた8bit輝度(L8フォーマット)が追加され、Flashメモリの使用量を低減します。さらに、STM32マイコンのChrom-ARTグラフィックHWアクセラレータ™を使用してグラフィックの描画速度を向上させ、洗練された映像効果を処理することで、より少ないメモリ容量でもTouchGFXの性能を最大限に引き出すことが可能です。ダイナミック・ビットマップ機能を備えたキャッシュ可能なコンテナも新たに搭載されたため、CPUへの負荷を軽減し、高フレーム・レートによるスムーズで流れるようなアニメーションを表示できます。
さらに、新たな6bitの色深度により、RAMとFlashメモリの使用量を削減しつつ、エントリ・レベルのGUIを64色で作成することも可能です。STM32マイコンのメモリ・マップ上に配置されていない外付けFlashメモリも新たにサポートされ、限られたシステム・リソースの中でも基本的なユーザ・インタフェースの構築が可能です。
TouchGFX Designerの更新には、カスタマイズ可能で強力なウィジェットの機能拡張が含まれており、拡大縮小や回転などの追加機能により、ドラッグ・アンド・ドロップによるシンプルなプログラミングが強化されています。カスタムのトリガとアクションが用意されており、洗練された機能をコーディングに頼らずに作成することも可能です。新しいImageタブでは、画像形式、ディザリング・アルゴリズム、およびレイアウトの回転といった属性を簡単に設定できます。また、自動コード生成の高速化やロード時間の短縮などの性能向上に加え、前面 / 背面への移動といった使いやすいテキスト向け機能も追加されています。
TouchGFX Suite (TouchGFX DesignerおよびTouchGFX Engine)は、ウェブサイトから無償でダウンロード可能です。
*STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。