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STM32Cubeマイコン開発エコシステムを拡充する無償の統合開発環境を発表
・完全統合型で豊富な機能に対応する無償の統合開発環境 STM32CubeIDE ・独創性を生み出す強力なSTM32CubeMXを統合 ・サードパーティ製ツールを継続サポートし、STM32を利用した開発に多様な選択肢を提供
2019年4月25日
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーの
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、豊富な機能と高い電力効率を特徴とするSTM32マイクロコントローラ(マイコン)を利用したシステム開発を簡略化する統合開発環境「STM32CubeIDE」を発表しました。このオールインワンのSTM32開発ツールは、STM32Cubeソフトウェア開発エコシステムの一部として、無償で提供されます。
STM32CubeIDEには、STが2017年に買収した組込み開発ツール・ベンダーであるAtollic®社の技術が活用されており、一般に販売されている統合開発環境(IDE)と同様の使いやすさを特徴としています。この統合開発環境は、業界標準のオープン・ライセンス条件で提供されるとともに、STM32を利用した組込み設計の簡略化と迅速化に向けたSTM32専用の機能も追加されています。例えば、強力なSTM32CubeMXツールを利用することで、STM32の設定とプロジェクト開発の管理を行うことができます。
STM32Cube開発エコシステムは、開発者の間で広く利用されており、STM32CubeMXは現在、年間平均で25万回以上ダウンロードされています。STM32CubeIDEにSTM32CubeMXを組み合わせることで、マイコン・ベンダー各社が提供する標準的な無償ツールよりも強力な開発環境を実現します。また、包括的なSTM32Cube開発エコシステムには、マイコンのプログラミング用のSTM32CubeProgrammerと、アプリケーションの動作をモニタリングするSTM32CubeMonitorのほか、各マイコンに特化した組込みソフトウェア・パッケージも含まれています。
STのマイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるRicardo De Sa Earpは、次のようにコメントしています。「当社は、STM32を利用したシステム開発の可能性をイノベーションを通じて広げており、機能・性能の最大化、開発期間の短縮、開発コストの削減を実現しています。STM32CubeIDEは、STM32Cubeソフトウェア開発エコシステムに完全に統合されており、現在入手可能な800品種以上のSTM32マイコンおよび関連するハードウェア・プラットフォームにシームレスに対応しています。」
STM32CubeIDEは現在入手可能で、www.st.com/stm32cubeideから無償でダウンロードできます。また、中国・深センで開催されるSTM32 Summit(2019年4月26日~27日)においてデモが実施されました。
技術情報
STM32CubeIDEは、Atollic TrueStudio® for STM32の使いやすいインタフェースと強力な機能を活用し、STM32CubeMXのユーティリティを統合することで、ベンダのサポートによる強力な統合開発環境を実現しています。この統合開発環境は、以下の機能を備えています。
・消費電力およびクロック・ツリーの解析機能を備えた使いやすい初期設定 / コード生成ツールであるSTM32CubeMX
・TrueStudioの豊富な機能:エディタ、コンパイラ、ビルド / メモリ / スタック・アナライザ、プロジェクト・ウィザードなど
・デバッガ、CPUフォルト解析、トレース / プロファイリングのビューワ、バグ・トラッキング
・エントリレベル超低消費電力マイコン(STM32L0)から超高性能マイコン(STM32H7)まで、800品種以上におよぶすべてのSTM32をサポート
・実績あるEclipseオープンソース・プラットフォームと、ライセンス・フリーのCDT、GCC、GDBをベースにした統合開発環境
・ライセンス規約の下での無償ダウンロードとビジネス向けの利用が可能
* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。