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モータ制御の設計を迅速化・簡略化する新しいSTM32ソフトウェア開発キットを発表
2018年3月15日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STM32Cube開発エコシステムと組み合わせて使用することで、STM32マイクロコントローラ(マイコン)を応用した先進的かつエネルギー効率に優れたモータ・ドライバの開発を簡略化する最新のSTM32 PMSM FOCソフトウェア開発キット(SDK)を発表しました(オーダー・コード:X-CUBE-MCSDK)。これにより、高性能ドライバを開発する可能性が拡大し、エアコン、生活家電、ドローン、ビル自動化システム、産業機器、医療機器、電気自転車などの多様な機器に適したドライバを、専門知識がなくても開発することができます。
この新しいバージョン5.0のファームウェア・ライブラリは、STによる永久磁石同期モータ(PMSM)の磁界方向制御(FOC)用SDKの前世代品をベースとしており、STM32Cubeハードウェア抽象化レイヤ(HAL)およびLL API(Low-Level Application Programming Interface)向けに最適化されているため、開発、カスタマイズ、デバッグが容易です。そのほか、ソースコードを編集できるため、開発者はさらに柔軟に、制御やカスタマイズを行うことができます。
MC-Workbenchのバージョン5.0の新しいグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)は、STM32CubeMXのワークフローを活用し、プロジェクトのセットアップ、マイコンのペリフェラル設定、イニシャル・コードの生成を自動で行います。プロジェクトの開発やデバッグを行いながら、制御ループ・パラメータをリアルタイムにモニタし、変更することも可能です。
同キットには、最大トルク / 電流制御(MTPA)などの一般的なPMSM制御技術を実現する豊富なアルゴリズムが搭載されており、効率を最大化するとともに負荷状況の変化に対応できます。また、速度範囲を拡大する弱めの磁束制御や、高速での安定性を向上させるフィードフォワード制御も含まれています。そのほか、ロータが回転している時でもスムーズに駆動を開始できる「start-on-the-fly」機能も搭載されています。これは、エアコンや排煙機などに使用される屋外ファンで必要になることが多い機能です。
電気的パラメータ(ステータの抵抗(Rs)とインダクタンス(Ls)、モータの電圧定数(Ke))や機械的な摩擦、慣性などを自動検出することで、モータの特性の大部分をすぐに調べることができるMotor Profilerなど、実績のある強力なSDKの機能を利用することができます。1シャント、3シャント、または絶縁型電流センサ(ICS)による電流検知、エンコーダやホール・センサを使用するロータ位置検出のほか、センサレス制御など、さまざまなモータ制御技術にも柔軟に対応します。デュアル・モータのアプリケーションにも対応しているこのSDKは、多くのSTM32製品に搭載されている豊富なアナログ機能やモータ制御用のマルチ・タイマを活用することができます。
最新のSTM32 PMSM FOC SDKは、https://www.st.com/x-cube-mcsdkから無償で入手することができます。
STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび/またはその他の地域における関連会社の登録商標および/または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。