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先進的なロボットのデモや組込みシステム向けの最新ソリューションをET2017に展示
2017年11月15日(水)~17日(金) : パシフィコ横浜(STブース : No.D-20)
2017年11月14日
あらゆる「モノ」がインターネットにつながるIoTが私たちの社会に浸透してきた昨今、ネットワーク接続に対応する組込みシステムの重要性がこれまで以上に高まっています。STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、進化する組込み技術が集まるEmbedded Technology 2017(ET2017)に、さまざまなST製品を使用して開発されたロボットのメイン・デモをはじめ、組込みシステム向けの各種最新ソリューションを展示します。
産業用ロボットから家庭用ロボットまで、ロボットは今まで以上に私たちの身近な存在になりつつあります。さまざまな半導体を搭載し、高度に統合化された組込みシステムであるロボットは、演算能力やリアルタイム性、センサ精度が非常に高いレベルで求められるアプリケーションの一つです。ロボット分野向けに包括的な製品群を擁するSTは、ET2017にて、障害物との距離の測定やジェスチャ検出による停止・方向転換・腕の前後動作、温度や大気圧の検知、無線によるデータ通信や駆動、および画像投影が可能なヒト型ロボットを展示します。STは、株式会社ロボティズのオープンプラットフォーム「ROBOTIS OP2」をベースに、ロボット制御システムのリーダー企業であるアスラテック株式会社の協力を得て、このロボットを開発しました。
このロボットには、29個のST製品が搭載されています。搭載製品には、STM32マイクロコントローラをはじめ、体勢を検出するモーション・センサや電子コンパス、障害物との距離やジェスチャ検出が可能なToF測距センサ、環境情報を取得する大気圧センサおよび温度センサ、MEMSマイクロミラー、MEMSマイクロフォン、外部との通信を行うBluetooth® low energyネットワーク・プロセッサなど、さまざまなST製品が含まれます。また、STのSTM32を搭載したアスラテック社のロボット制御マイコンボード「V-Sido CONNECT」を使ってその複雑な動きを制御しています。STは、このデモを通じて、産業・ヘルスケア・教育などの分野で活躍する多種多様なロボット向けに、STの高性能かつ利便性の高い包括的ソリューションを提案していきます。
IoT技術の進展により、情報を一手に集めて処理する「クラウド」に加え、情報収集場所に近いところに処理機能を分散させ、ネットワークに送るデータ量を大幅に削減することで通信帯域の効率的な利用につなげる「エッジ・コンピューティング」が普及しつつあります。ET2017においてSTは、コンパクトなAI(人工知能)を移植したSTM32マイコンとカメラ・モジュールのみを使って、4桁の数字を高精度かつリアルタイムに認識するデモを展示します。この技術は、画像や音、各センサ信号などに基づいて推論を実行し、自律的に状況判断や予測をするエッジ端末への応用が見込まれています。その他、Arm® Cortex®-M搭載マイコン史上最高の性能を持つSTM32H7や、ウェアラブル機器向けの新しいマイコンを紹介します。
さまざまな情報を収集し処理を行うIoT端末には、用途や目的に応じた多様かつ高度なセンシング技術が欠かせません。STは、日本電産株式会社の協力を得て、モータの振動を高精度な加速度センサによりモニタするスマート・インダストリ向けのデモを実施します。この技術は、工場設備やインフラの予防的メンテナンスなど、産業分野における新たなアプリケーションやサービスの創出に役立ちます。また、STブースでは、大気圧センサの新製品を紹介します。クラス最小(3.3 x 3.3mm)のこの大気圧センサは、センサ素子およびASICを特殊なジェルで封止することにより、10気圧防水を実現しています。そのため、水に触れる機会の多い、ウェアラブル機器や屋外設置型端末に適しています。
また、IoTでは、通信距離やデータ転送レートに合わせたさまざまなコネクティビティ技術が普及のカギを握っており、中でも低電力で広域をカバーするSigfoxやLoRaといったLPWAが注目を集めています。STは、Sigfox向けに、Sub-GHz通信ICを使用したデータ転送のデモを行うほか、LoRa向けには、STM32マイコンおよびSemtech社の通信ICを集積した村田製作所のRFモジュールを搭載する開発ボードのデモを実施します。この開発ボードは、日本の通信事業者である株式会社ソラコムのサービスへの接続検証が完了しています。また、近距離通信向けには、Bluetooth® low energy通信ICとNFCリーダライタを組み合わせた車載・住宅用スマートロックのデモを展示します。
ネットワークにつながるIoT機器の中には、モータの動力を利用するシステムが多数存在し、それらの大小さまざまなモータの制御には、高い精度、優れたリアルタイム性およびサイズなどを特徴とするモータ・ドライバICが重要です。STブースでは、モータ制御用システム・イン・パッケージ(SiP)を使用し、ドローンのプロペラ用モータを高精度なベクトル制御によって駆動するデモを実施します。このSiPは、Arm Cortex-M0マイコン、DCDCコンバータ、オペアンプ、コンパレータおよびゲートドライバなどを1パッケージ(7 x 7mm)に集積しています。
さらに、IoTを構築する無数の組込みシステムは、偽造や模倣、情報の盗難、機器の悪用など、さまざまなサイバー攻撃の脅威に晒されます。そのため、ネットワーク脆弱性を補うセキュリティ技術の確保が課題になっています。STは、業界最高クラスのセキュリティ認証「Common Criteria EAL5+」を取得したセキュア・マイコンとBluetooth® low energy通信ICの開発ボードを使用し、近距離無線通信におけるホスト・端末間の認証デモを実施します。また、これまでPCなどに使用されてきたTPMチップを使用し、組込みシステムのセキュリティを強化する汎用性の高いTPMソリューションのデモも展示します。
その他、ET2017のSTブースでは、技術者向けに、STM32オープンソース開発環境を体験できるコーナーを設置します。このコーナーでは、STM32マイコンを搭載した2種類のNucleoボードのほか、Bluetooth® low energyネットワーク・プロセッサ、ブラシレス/ブラシ/ステッパ・モータ用ドライバ、NFCタグ、モーション・センサ & 環境センサおよび測距センサを搭載した7種類のX-NUCLEO拡張ボードを用意しており、各アプリケーションごとに統合開発環境を使用したサンプル・プログラムの実行を体験できます。
また、ToF測距センサ、タッチスクリーン・コントローラ、USB PDコントローラ、ワイヤレス給電用IC、デジタル電源制御用IC、NFCタグなどを使用した各種デモならびにボードもSTブースにてご覧いただけます。