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身の回りのモノにグラフィックス機能を追加する新しい32bitマイコンを発表
・低コストかつ低消費電力で「スマート・オブジェクト」の機能を強化
2015年4月9日
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、高性能グラフィックス機能の追加により、ウェアラブル機器、スマート家電およびIoT機器の直感的ユーザ・インタフェースを実現する新しい32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32F469/479を発表しました。同製品は、STのChrom-ART Accelerator™(1)と、スマートフォンやタブレットに広く採用されているMIPI-DSI技術(2)を組み合わせることで、コストや消費電力を抑えながら、新しいレベルの性能を提供します。
ウェアラブル機器やスマート家電といった「スマート・オブジェクト」の可能性を開く新製品は、優れたリアルタイム処理性能と拡張された通信機能を組み合わせており、私たちの暮らしに普及しているアプリストアなどのソフトウェア・エコシステムのメリットをウェアラブル機器やスマート家電に提供する、優れたリアルタイム処理性能と拡張された通信機能を組み合わせていします。
この新製品は、グラフィックスやリアルタイム処理に加え、プログラム・メモリへのアクセスを高速化するChrom-ART AcceleratorとART Accelerator™で拡張された高性能かつ低消費電力の32bitコアであるARM® Cortex®-M4を搭載しています。これらのアクセラレータとMIPI-DSIインタフェースを組み合わせた新製品は、高度なリアルタイム・システム制御、モニタリング、および強力な処理性能を必要とするアプリケーション・タスクを実行します。
新製品では、STが長年取り組んできた消費電力の最小化や高集積化といった経験を活用しています。消費電力の最小化は機器の動作時間の延長によりバッテリの充電回数を減らし、高集積化によるパッケージサイズの小型化は需要消費者からの希望がの多い小型かつ軽量な機器を可能とします。
STのマイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるMichel Buffaは、次の様にコメントしています。「スマートフォンやタブレットの登場は、世界中の消費者に対し、直感的ユーザ・インタフェースや、アプリを瞬時にダウンロードして実行するといった使いやすさを提供すると共に、高性能グラフィックス機能への期待感を高めてきました。これまで、多くの機器が、グラフィックス処理よりも、リアルタイム・アプリケーション処理の要件を優先的にサポートしてきました。新しいマイコンは、機器の消費電力、コストおよびサイズに対する厳しい制約に対応し、今日のユーザの期待に応えるIoT製品を実現します。」
STM32F479は、高度なセキュリティが要求される機器向けに暗号化コプロセッサも内蔵しています。
現在、STM32F469/479は、サンプル出荷中で、2015年第3四半期に量産を開始する予定です。STM32F469AEH6(内蔵Flashメモリ:512KB、BGA169パッケージ)の参考サンプル価格は、8.29ドルです。
(1) Chrom-ART Accelerator™は、画像データへの直接アクセス、デコード、ブレンドとLCDディスプレイへの直接出力が可能な2D Direct Memory Access(DMA2D) を搭載したペリフェラルです。
(2) ディスプレイ・シリアル・インタフェース(Display Serial Interface: DSI)は、MIPIアライアンスが制定したモバイル機器用ディスプレイ・コントローラ仕様です。