Press
ARM® Cortex®-M4マイコンでクラス最高の電力効率を実現するSTM32L4のポートフォリオを拡張
2016年2月18日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、32bitマイクロコントローラ(マイコン)の電力効率と性能の新たな水準を確立したSTM32L4シリーズの新製品を発表しました。この新製品により、ペリフェラルとパッケージの選択肢が拡張され、設計の簡略化と柔軟性の向上が可能になります。
エンベデッド・マイクロコントローラ・ベンチマーク・コンソーシアム(EEMBC®)の超低消費電力マイコン向けベンチマーク試験(ULPBench™)において、新しいSTM32L4はコイルやキャパシタなどの外付け部品を必要とする降圧DC-DCコンバータを使用せずに76.70 ULPMark™-CP(1) という、他の主要マイコンのスコアを上回る記録を達成しています。また、80MHz動作時の273.55というEEMBC CoreMark®スコアは、STM32L4シリーズが卓越したピーク性能と高い電力効率を両立していることを証明しています。
このような性能および電力効率の優位性は、個別の電圧を印加できる独立したペリフェラル電源や周波数をプログラムで変更可能なマルチスピード内部オシレータ、CPU電源オフ時にペリフェラルとRAM間のデータ転送ができるBatch Acquisition Mode(BAM)、ゼロ・ウェイトでFlash命令の実行を可能にするST独自のアダプティブ・リアルタイム・アクセラレータ(ARTアクセラレータ™)などの各種スマート・アーキテクチャ機能によって実現されています。さらに、超低消費電力の8nAシャットダウン・モードを含む複数の電源制御モードを搭載しているため、電力を最大限節約することができます。
今回リリースされたSTM32L4シリーズの新製品(6品種)は、これらの優位性を、低コスト、アプリケーションに特化した機能、幅広いパッケージ・オプションと共に提供します。STM32L471は、最大1MBのFlashメモリと、豊富なアナログおよびオーディオ機能を搭載しており、LCDコントローラまたはUSBコネクティビティを必要としないアプリケーションに適しています。STM32L475は、さらにUSB OTGフルスピード・コントローラを搭載しています。また、STM32L471とSTM32L475の両製品には、複数のタイマおよびクロック源、CAN、SDMMC、USART、SPI、I2Cなどの各種通信インタフェースが搭載されています。アナログ・ペリフェラルには、省電力モードのある5Msps の12bit ADコンバータ、12bit DAコンバータ(2ch)、内蔵プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)付きオペアンプ(2ch)、および超低消費電力コンパレータ(2ch)が含まれています。
STM32L432およびSTM32L433は、最大256KBのFlashメモリと100DMIPSのARM® Cortex®-M4のパフォーマンスを必要とする低消費電力・小型アプリケーションを対象にしたマイコンです。STM32L432はアナログおよびオーディオ機能、外付け水晶発振子無しで動作するUSBコントローラを搭載しています。STM32L433は、これらに加え、LCDコントローラを搭載しています。STM32L432およびSTM32L433は、UFBGA100(7 x 7mm)からWLCSP49(3.14 x 3.13mm)までの多岐にわたるパッケージの他、WLCSPパッケージでは対応が難しいユーザ向けにはUFQPN32パッケージでも提供されます。
STM32L442 / STM32L443は、STM32L432 / STM32L433と同じ強力な機能や柔軟性に加え、ハードウェア暗号化エンジンを搭載しています。
STM32L4シリーズは、ウェアラブル機器およびホーム・オートメーション・コントローラなどのIoT機器のスマートでセキュアな通信の確保や、産業機器または医療機器における多様なペリフェラルやコネクティビティのニーズに応えるための豊富なラインナップで構成されています。また、STM32L4シリーズはスマート・メータなどに最適な10年間以上の製品供給保証に加え、幅広い動作温度範囲と、大容量の内蔵メモリを搭載しており堅牢な1チップ・ソリューションを提供します。
STM32L432KBU6(QFN-32パッケージ、Flashメモリ:128KB、SRAM:64KB)の参考サンプル価格は約2.13ドルです。STM32L4シリーズの新製品は、2016年前半に量産が開始される予定です。
Embedded World 2016に出展するSTのソリューションは、2016年2月24日より、www.youtube.com/stonlinemedia/EW2016 でご覧いただけます。
(1) ULPMark-CP:マイコンの効率性スコアは、「1000 ÷10 ULPBenchサイクルの1秒当り平均電力の中央値」で算出され、数値が大きいほど高効率になります。