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小型スマート機器へのSTM8マイコン搭載を簡略化する無償ソフトウェア・ツールを発表
・Cosmic CXSTM8 Cコンパイラにより、機能制限のない無償の開発ツールチェーンが完成 ・コード・サイズ無制限で、STM8ファミリの全製品(Flashメモリ容量 : 128KBまで)をサポートする高機能コンパイラ ・開発コストを僅か8ドルまで低減する開発ボード「STM8S-DISCOVERY」
2016年3月25日
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE: STM、以下ST)は、幅広く使用されている8bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM8ファミリ向けに、新しい無償ソフトウェア・ツールを発表しました。これにより、開発者は、私たちの仕事や暮らしをサポートするスマートな電子機器に、低コストで演算機能を実装することができます。
STとCosmic社の協力により、設計者はSTM8ファミリを採用したアプリケーションの構築、デバッグおよびチューニングを行う際に必要な全てのソフトウェア・ツールを無償で入手することができます。その他のマイコンでも無償ツールは用意されていますが、機能やコード・サイズが制限されている場合が多くあります。今回発表されたSTM8ファミリ用の無償コンパイラCosmic C(COS-C-COMPILER)は、制約なくすべての機能を使用でき、内蔵Flashメモリの容量が最大128KBの製品を含む、全てのSTM8ファミリに対応しています。
設計者はこの無償ソフトウェア・ツールと、機能評価用開発ボード 「STM8S-DISCOVERY」で必要になる僅か8ドルで試作開発を開始することができます。STM8ファミリは、メインストリーム・シリーズ(STM8S)、超低消費電力シリーズ(STM8L)、車載シリーズ(STM8AF、STM8AL)を含む、120品種以上の製品で構成されており、ユーザは、内蔵メモリ容量、パッケージ・タイプ、および通信インタフェース、タイマ、コンバータなどのペリフェラルをさまざまな用途に応じて選択することができます。
STのグループ・バイスプレジデント 兼 マイクロコントローラ事業部 ジェネラル・マネージャであるMichel Buffaは、次のようにコメントしています。「8bitマイコンは、マイコン市場で最も大きい約40%の売上を占めています。今回の無償ツールの提供により、STM8ファミリは、この領域においてさらに魅力的な製品となるでしょう。STは、8bitマイコンのシンプルさと低価格を必要とする無数のアプリケーションにSTM8ファミリが採用されるよう、これからも取り組んでいきます。」
Cosmic社のキー・アカウント・マネージャであるLuca Ubialiは、次のようにコメントしています。「Cosmic社とSTは、従来よりSTM8マイコン向けのコンパイラで協力しており、その成果であるCXSTM8は、STM8アーキテクチャに最適なCコンパイラです。このコンパイラが可能にするクラス最高の性能と柔軟性を、STM8ファミリの全てのユーザが無償で利用できるようになったことを嬉しく思います。さらに、CXSTM8の実証済みの信頼性と、Cosmicのユニットテスト製品や、ランタイムコア検証製品を併用することで、プロジェクトの安全性に対して高まる要求をサポートすることができます。」
技術情報
新しい無償Cコンパイラである「Cosmic CXSTM8」は、ST Visual Develop(STVD)環境とシームレスに統合されます。STVDはSTのマイコン用無償ツールセットの1つで、プログラミング・インタフェースのST Visual Programmer(STVP)、ST Assembler Linker、アプリケーション動作をチューニングするSTMStudioを含んでいます。
STVDは、アプリケーション・コードのビルドやデバッグからマイコンのプログラミングまで、アプリケーション開発を進める上で必要なあらゆる機能を備えています。ソフトウェア・ベースのシミュレータを提供し、低コストのRLinkおよびST-LINKイン・サーキット・デバッガ/プログラマ、STM8ファミリ用の高機能エミュレータSTiceにも対応しています。Cコンパイラは、これまで有償ソフトウェア・ツールでしたが、STM8ファミリのユーザであれば、STとそのパートナーが提供する総合的なソフトウェア・ツールを無償で利用できます。