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STM32F7マイコンの開発エコシステムを拡大する新しい開発ボードを発表
2016年6月3日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、32bitマイクロコントローラであるSTM32F7シリーズ
の最新製品を搭載した4種類の開発ボードを発表しました。これらの開発ボードは、搭載機能により、エントリ・レベルからハイエンドまで、種類分けされています。STM32F7シリーズでは、機能豊富なユーザ・インタフェースを可能にするペリフェラルを搭載し、最大2MBまでのFlashメモリを内蔵した製品の量産が現在開始されています。
新しい開発ツールは、組込みシステム設計を簡単に開始することができるSTM32F767を搭載した低価格開発ボード「STM32 Nucleo-144」や、STM32F769を搭載し、TFT-LCDコントローラおよびMIPI®-DSIコントローラに対応したDiscovery Kitの他、豊富な機能を搭載したハイエンド・モデルには、STM32F769をベースに豊富な機能を搭載した評価ボードや、暗号化アクセラレータを内蔵したセキュリティ重視のアプリケーション向けのSTM32F779の評価ボードが含まれています。これらの評価ボードとDiscovery Kitには、4インチ ディスプレイ(WVGA、800×480、MIPI-DSI対応、静電容量式タッチパネル搭載)が付属しています。
STM32F7のハードウェア・プラットフォームを使用する開発者は、初期設定ツールSTM32CubeMXと組込みソフトウェア・パッケージSTM32CubeF7で構成される豊富なソフトウェアを利用することができます。STM32CubeF7には、ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)とミドルウェア・コンポーネント(FreeRTOSリアルタイムOS、USBライブラリ、lwIP(lightweight IP)オープンソースTCP/IPスタック等)が含まれています。
STM32F7の開発エコシステムは、高性能なマイクロプロセッサ(MPU)を使用せずに、洗練されたユーザ・インタフェース(HMI)を開発することができます。STM32F7は、倍精度対応のFPU(浮動小数点ユニット)とDSP命令セットを内蔵したARM® Cortex®-M7プロセッサ(216MHz / 462DMIPS / 1082 CoreMark®)を搭載しており、高度なグラフィック性能ならびに幅広い通信機能を兼ね備えています。
- ・Chrom-ART Accelerator™とハードウェアJPEGアクセラレータによる高速グラフィック・レンダリング
- ・最小限のCPU負荷で高性能なグラフィック処理とタッチ操作を可能にするTouchGFXに対応
- ・グラフィック・ツールとドラッグ・アンド・ドロップ操作でGUI制作を支援するPCベースのユーティリティが付属し、高性能グラフィックを可能にするEmbedded Wizardに対応
- ・STemWinのプロフェッショナル・グラフィック・ライブラリおよび開発ツール
- ・USB2.0 High Speed OTGに対応
- ・産業用アプリケーションに最適な、CAN2.0ポートと、時刻同期プロトコルIEEE 1588に準拠したイーサネット
- ・HDMI CEC(Consumer-Electronics Control)、カメラ・インタフェース、外部メモリとの高速通信が可能なデュアルモードのQuad-SPIインタフェース、ならびにSDRAMなどの接続が可能なFMC(Flexible Memory Controller)
- ・複数の16bit / 32bitタイマ、12bit ADコンバータ(変換速度2Msps)
- ・12bit DAコンバータ、専用PLL(Phase-Locked Loop)を持つI2S(Inter-IC Sound)シリアル・インタフェース、DFSDM(Digital Filter for Sigma-Delta Modulator)、S/PDIFレシーバ等のオーディオ機能
高機能評価ボードであるSTM32F769I-EVALおよびSTM32F779I-EVALの参考価格は360ドルです。また、Discovery Kit(STM32F769I-DISCO)の参考価格は79ドル、STM32 Nucleo-144ボード(NUCLEO-F767ZI)は23ドルのため、非常に低コストで組込みシステムの設計を開始することができます。現在、これらのボードはSTまたは販売代理店より入手可能です。
詳細については、www.st.com/stm32f7-nbをご覧ください。