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STM32マイコン向けにUSB Type-C / PDの認証取得済みソフトウェアを発表

・ケーブルやコネクタの削減と、ユニバーサル・バッテリ充電器の実現に向けて前進

2016年6月17日

USB Type-C™およびUSB Power Delivery(USB PD)の導入が世界的に進むと考えられる中、多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、両技術導入の簡略化に貢献するため、32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32で使用可能な認証取得済みの組込みソフトウェア・ソリューションを発表しました。この無償のSTM32 USB-C / USB PD用ミドルウェア・スタックは、USB Type-C 1.2とUSB PD 2.0に準拠しており、ユーザはSTのARM® Cortex®-Mプロセッサ搭載マイコンであるSTM32の豊富な機能を利用することで、この新しい技術を最終製品に迅速に導入できます。

X-CUBE-USB-PDは、Cortex-M0プロセッサを搭載したエントリ・レベルのSTM32F0をベースにした新しいファームウェアであり、設計者は従来のUSBデバイスをアップグレードし、消費者に大きなメリットを提供することができます。USB Type-CとUSB PDを組み合わせることで、ケーブルをどちらの向きでも差し込めるリバーシブルなコネクタ、必要なデータ(動画や独自のプロトコルを含む)の保管、およびUSBポートに接続した機器の給電・充電(最大100W)が可能になります。

STのマイクロコントローラ事業部マーケティング・ディレクターであるDaniel Colonnaは、次の様にコメントしています。「当社のUSB Type-C / USB PD用ミドルウェア・スタックは、STM32ファミリが高性能なスマートフォンやタブレットのみならず超小型IoT機器にいたる様々な用途で高く評価され、組込みプロセッシングの基準を確立している理由を示す確かな例です。STM32ファミリは、業界標準となる組込みプロセッサ・アーキテクチャ向けに、価格・消費電力・性能の幅広いオプションを世界で最も豊富に取り揃えています。また、無償ソフトウェアおよび低価格開発ボードを含む包括的な開発エコシステムが、製品開発期間の短縮ならびに投資効率の最大化を約束します。」

このミドルウェア・スタックをSTM32で使用した場合、少数の受動部品で構成される非常にシンプルなアナログ・フロントエンドのみを必要とするため、コストおよび基板実装面積の低減に貢献します。これは、STM32に搭載された各種機能(コンパレータ、ADコンバータ、タイマ、ダイレクト・メモリ・アクセスなど)を最大限に活用できるためです。

特徴

• 最大2個のUSB Type-Cポートに対応(電力供給、コンスーマ用途、デュアル・ロール機能)
• ケーブル挿入検知機能、どちらの向きでも差し込めるケーブル・コネクタ
• 接続された機器と電流容量の識別
• USB PD通信プロトコルにより、Vbus経由で必要な電力の供給
• デバイスまたはケーブルIDの識別や代替モード・コマンドの管理が可能なベンダー定義モードの対応
• アプリケーション耐用期間中にファームウェアのアップグレードが可能なため、規格更新にも柔軟に対応
• USB Type-Cの機能に加え、その他の動作処理(電力管理制御、USB2.0通信、電圧・電流のモニタなど)を同一マイコンで実行可能
• X-CUBE-USB-PD拡張ソフトウェアで提供されるソフトウェア・ライブラリは、STM32Cube API(HAL:ハードウェア抽象化レイヤ)と共通なため、異なるSTM32シリーズ間で容易に切り替え可能
• 業界リーダー各社が導入済みの実績あるソリューションで製品開発期間を最適化

STは、新しいUSB Type-C技術を開発ツールであるSTM32 Nucleo Packでサポートし、設計負荷を最小化します。STM32 Nucleo Packには、NUCLEO-F072RBボード、USB Type-C / USB PD拡張ボード、ならびにUSB Type-Cケーブルが含まれています。拡張ボードには、USB Type-Cデュアル・ロール・ポートと個別のアナログ・フロントエンドが搭載されています。

STM32F0 USB Type-C / USB PD Nucleo Pack(P-NUCLEO-USB001)は、現在販売中で、単価は約49.90ドルです。