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STM32マイコンを使用した組込みシステム設計の柔軟性を高める無償ドライバ・ソフトウェアを発表
・LL APIにより、性能、消費電力およびソフトウェアのメモリ使用量を最適化
2016年6月29日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)
は、32bitマイクロコントローラ(マイコン) STM32の開発エコシステムを拡張する、STM32Cube Low-Layer Application Program Interface(LL API : ロー・レイヤ・アプリケーション・プログラム・インタフェース)ソフトウェアを発表しました。ARM®Cortex®-Mプロセッサ搭載のSTM32マイコンを使用する上級設計者は、よりハードウェアに近いレジスタ・レベルのコーディングを可能にするこのLL APIによって、パフォーマンスと実行時効率を最適化できるようになります。
このLL APIが追加されたSTM32向けソフトウェア・ライブラリSTM32Cubeを使用することで、使いやすく移植可能なHAL(ハードウェア抽象化レイヤ)および高度に最適化されたLL APIが、非常に柔軟なペリフェラルの制御を可能にします。そのため、ユーザーは実証済みのST製ソフトウェアを使用し、各自のアプリケーション開発に注力することができます。
LL APIは、STM32 Nucleo開発ボード上で動作するよう設計されたサンプル・プロジェクトと共に、STM32Cubeパッケージに統合されており、その他のSTM32ボードへのサンプルの移植は容易です。また、このLL APIは、同一プロジェクト内で対応するHALと並行して使用できるため(1)、設計者は、製品開発期間、ソフトウェアのメモリ使用量、および実行時効率の間のトレードオフを柔軟に最適化することができます。
さらに、LL APIが、従来のSTM32 Standard Peripheral Libraries(SPL)からSTM32Cube™エコシステムへの移行を簡略化します。このLL APIは、各STM32Cube組込みソフトウェア・パッケージに含まれるHALと同様、一部の例外を除いてMISRA-C 2004に準拠しています。例外は一覧にまとめられ、説明が記載されています。このLL APIは、GrammaTech CodeSonar®により、最適なコード品質と信頼性を有することが確認されているほか、STM32CubeMXソフトウェア・パッケージに入っている自動アップデート機能によって、常に最新の状態が維持されています。
現在、無償かつオープンソースのBSD(2) LL APIは、STM32L4 / L0 / F0シリーズ向けのSTM32Cubeパッケージで利用可能で、2017年第1四半期にはすべてのSTM32Cubeパッケージで利用可能になる予定です。
(1) 唯一の例外として、同一ペリフェラル上の並行プロセスに対し、HALとLL APIを同時に使用することはできません。
(2) Berkeley Software Distributions