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STM32F4シリーズの機能集積と柔軟性を向上させたSTM32F413/423マイコンを発表
2016年12月15日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、高性能32bitマイクロコントローラ(マイコン)のSTM32F4シリーズに、新製品を2品種追加し、同シリーズの電力効率、柔軟性および機能集積を向上させました。最高125°Cでの動作(1)が可能なこれらの新製品は、常時動作するセンサ・システムや、汎用の産業機器を対象としています。また、STM32F1マイコンからこれらの製品にアップグレードすることで、堅牢性やコスト・パフォーマンスを向上させることができます(2)。
STM32F413および暗号化機能が強化されたSTM32F423は、最大1.5MBのFlashメモリおよび大容量のSRAM(320KB)が内蔵されています。両製品は、STM32F4シリーズ(アクセス・ライン)の中で最も高機能な製品で、シリアル・オーディオ・インタフェース(SAI)や、音声方向検知および特定方向からの音声を取得するビームフォーミングに向けたマルチチャネルDFSDM(Digital Filter for Sigma-Delta Modulator)による低消費電力な音声認識インタフェースなど、豊富なオーディオ機能を備えています。また、両製品には、12bit DAコンバータ(2ユニット)、UART(最大10ch)、およびCAN 2.0Bアクティブ・インタフェース(3ch)などの充実したペリフェラルも集積されています。さらに、暗号化機能が強化されたSTM32F423には、真乱数発生器(True Random-Number Generator:TRNG)およびAES-256暗号化用ハードウェア・アクセラレータが搭載されており、IoT機器にも最適です。
STM32F4シリーズ(アクセス・ライン)の最上位品種であるこれらの新製品は、シリアル通信による外付けメモリ接続を可能とするデュアルモードクワッドSPI(100MHz)、外付けメモリ(SRAM、PSRAM、またはNOR Flashメモリ)用16bit外部バスのフレキシブル・メモリ・コントローラ(FMC)、最大QVGA(最大16bit色深度) / WQVGA(8bit色深度)の描画を実現するLCDインタフェース、および外部レベル・シフタを不要とするリンク・パワー・マネージメント(Link Power Management:LPM)機能とデュアル電源レールを備えたUSB On-The-Go(OTG)を搭載しています。
さらに、両製品とも、命令/データ(I/D)バスとシステム・バス(SBUS)で個別のRAM1(256KB)領域およびRAM2(64KB)領域に接続することによってバスの競合を最小化する、最新のRAMアクセス・スキームを採用しています。個別のRAM1領域およびRAM2領域を、最新の拡張DMA Batch Acquisition Mode(BAM+)で利用することにより、センサ・システムなどにおいて極めて高い効率でコードとデータを処理します。
クラス最高の電力効率で高性能を実現するこの新しいSTM32マイコンは、ARM® Cortex®-M4プロセッサ(最大100MHz、125DMIPS/339 EEMBC® CoreMark®)に、STの低消費電力Dynamic Efficiency技術を組み合わせることで、RUNモード電流を最低112µA/MHzまで低減しています。このDynamic Efficiency技術には、Flashメモリからのゼロ・ウェイト実行を可能にする独自のART Accelerator™、および1.7Vまでの供給電圧対応が含まれており、常時接続システムのバッテリ寿命を最大限延長します。
これらの新製品には、試作開発を迅速に開始できるマイコン開発ボードNUCLEO-F413ZHが用意されています。このSTM32 Nucleo-144ボードには、ST-LINK/V2-1デバッガ/プログラマ、ソフトウェア・ライブラリとサンプル・プログラムが付属しており、ARM mbed™オンライン・リソースと共に直接使用することができます。また、2017年前半に出荷予定のSTM32F413 Discovery Kitでは、システム開発に向けた独自の革新的サポートが導入されています。
STM32F413およびSTM32F423は現在入手可能で、WLCSP81(4.039 x 3.951mm)からLQFP(144ピン)までの7種類のパッケージで提供されます。WLCSP81パッケージでの参考サンプル価格は約4.73ドルです。マイコン開発ボードNUCLEO-F413ZHの価格は19ドルで、販売代理店またはSTのウェブサイトwww.st.com/stm32f4から入手可能です。
詳細については、www.st.com/stm32f4をご覧ください。
(1)STM32F4シリーズ(アクセス・ライン)のすべての新製品は、-40°C~125°Cで動作検証済みです。STのロードマップでは、2017年第1四半期までに、STM32F4シリーズの全製品について、この温度範囲での動作検証を行う予定です。
(2)STのアプリケーション・ノートAN4904で、STM32F1シリーズからSTM32F4シリーズへのマイコン・アプリケーションの移植方法が解説されています。また、ハードウェアの互換性、ブート・モードの選択、およびペリフェラルの移植に関するガイダンスも掲載されています。