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STマイクロエレクトロニクス、より小型で堅牢なモータ・ドライブを実現する高電圧パワー段を集積した小型評価ボードを発表

・ゲート・ドライバ、パワーMOSFET、ブートストラップ・ダイオード、高速保護機能を1パッケージに集積し、基板面積を70%削減・ 円形の小型評価ボードがファンやポンプの開発期間短縮に貢献

2024年9月9日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、3相モータ・ドライバ「PWD5T60」および、すぐに使用可能で柔軟な制御方法に対応する評価ボード「EVLPWD-FAN-PUMP」を発表しました。これらの製品は、高効率モータを搭載した信頼性の高い小型ファンおよびポンプの開発加速に貢献します。

最大500Vのアプリケーションに最適なPWD5T60は、ゲート・ドライバとオン抵抗(RDS(ON))1.38ΩのパワーMOSFETを6個搭載し、面積あたりの消費電力に優れています。ゼロドロップ電圧のブートストラップ・ダイオードも内蔵しており、最小限の外付け部品で回路を構成できるため、ディスクリート品で構成された同等のドライバと比較して基板面積をわずか30%に抑えられます。ハイサイド / ローサイドMOSFETの伝播遅延が厳密にマッチングされているため、サイクルの歪みがなく、動作周波数をきわめて柔軟に設定でき、応答時間と電力効率の最適化が可能です。

評価ボードEVLPWD-FAN-PUMPは、最大100Wのアプリケーションで、PWD5T60の性能を迅速に評価することができます。同ボードには、PWD5T60およびSTM32G0マイクロコントローラ(マイコン)が搭載されており、永久磁石同期モータ(PMSM)およびブラシレスDC(BLDC)モータのベクトル制御(FOC)または6ステップ制御が可能です。1シャントまたは3シャントの電流検出を選択でき、PWD5T60の高度な機能集積によって小型の円形を実現しているため、ファンやポンプへの使用に最適です。また、12Vおよび3.3Vの電源電圧をアプリケーションに供給する電源回路も搭載されており、入力段にACライン・フィルタ一式を備えています。

EVLPWD-FAN-PUMPは、バス電圧検出機能を内蔵しており、PWD5T60の安全設計の活用をサポートします。PWD5T60の安全設計は、危険な状態や低効率での動作を防止するため、各ブートストラップ回路に減電圧ロックアウト(UVLO)機能を提供します。また、PWD5T60は堅牢性に優れており、インターロックと事前設定されたデフォルトのデッドタイムによる貫通電流保護機能を備えています。これにより、シュートスルー電流に対するフェイルセーフ保護を実現します。さらに、グランド未満の電圧低下にも対応できる優れた堅牢性により、誤動作を確実に防止できます。

PWD5T60のスマート・シャットダウン機能は、コンパレータを使用した高速の過電流保護を実現します。異常が検出されると即座に出力がオフになり、コンデンサとオプションのプルアップ抵抗を専用ピンに接続することで、その後の出力無効時間を設定できます。ターンオフ応答は、これらの部品による影響を受けないため、製品開発において常に即時オフを維持しつつ、異常解消までの時間を確保できるように最適な無効時間を設定することができます。

PWD5T60は、9V~20Vの広い入力電源電圧範囲を備えているため、きわめて柔軟性に優れています。また、CMOS / TTL に準拠した最小3.3Vのロジック入力によって、ホスト・コントローラとの接続を簡略化できます。

PWD5T60は現在量産中で、小型のVFQFPNパッケージ(実装面積12 x 12mm、厚さ0.95mm)で提供されます。単価は、1000個購入時に約3.28ドルです。

評価ボード「EVLPWD-FAN-PUMP」は、STのeSToreから入手可能で、価格は約102ドルです。すぐに使用できる利便性の高い評価ボードであり、モータ制御ソフトウェア開発キット「X-CUBE-MCSDK」に含まれるFOCおよび6ステップ制御ファームウェアを利用できます。同開発キットは、STのウェブサイトから無償で入手可能です。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。