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STマイクロエレクトロニクス、インテリジェント・エッジを強化し性能向上と産業レジリエンスをもたらす 第2世代STM32マイクロプロセッサを発表

・64bitコアとエッジAIアクセラレータを搭載した最新のSTM32MP2マイクロプロセッサ・性能、セキュリティ、信頼性に優れた新製品・STM32開発エコシステムを利用して迅速な開発とセキュア・プロビジョニングが可能

2024年3月7日

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、第2世代のSTM32マイクロプロセッサ(MPU)「STM32MP2シリーズ」を発表しました。同製品は、産業アプリケーションに最適で、ファクトリ・オートメーション(FA)、スマート・ヘルスケア、スマート・ビルディング、スマート・インフラの発展に貢献します。

現在、さまざまなシーンでデジタル・トランスフォーメーションが進んでおり、生産性の向上や、より高度なヘルスケア、ビル / 生活インフラ / 交通インフラ全体にわたる安全性およびエネルギー管理の向上などが推進されています。このようなデジタル化を実現するためには、クラウド・コンピューティングやデータ分析、AI、IoTといった技術がきわめて重要です。STM32MP2マイクロプロセッサは、進化するデジタル世界を構築する次世代機器の実現に貢献します。産業用コントローラ、マシン・ビジョン・システム、スキャナ、ウェアラブル医療機器、データ・アグリゲータ、ネットワーク・ゲートウェイ、スマート家電、産業用 / 家庭用ロボットなど、幅広いアプリケーションに最適な製品です。

STマイクロエレクトロニクスの汎用マイクロプロセッサ事業部 ジェネラル・マネージャーであるStephane Henryは、次のようにコメントしています。「STのマイクロプロセッサは、より多くの処理負荷や高速応答、高効率化など、IoT機器に対して増加するニーズに対応します。STM32ファミリ内で最も強力なコアが搭載されたSTM32MP2マイクロプロセッサは、エッジAI機能に対応するとともに、開発を加速させるSTM32開発エコシステムによってサポートされています。これにより、きわめて強力な性能を提供します。」

STM32MP2マイクロプロセッサは、高いリアルタイム性が求められる高負荷処理や、AI推論、通信向けに設計されています。また、最先端のサイバー・セキュリティに対応し、最大10年間の連続動作が可能です。

STM32MP2マイクロプロセッサには、Arm® TrustZone®アーキテクチャと連携するST独自のセキュア・ハードウェア、耐タンパ制御、ファームウェア保護、セキュア・プロビジョニングなど、最先端のセキュリティ機能が搭載されており、機密データや暗号鍵を保護します。IoT機器およびコンプライアンスに関する主要なセキュリティ評価標準であるSESIPレベル3認証の取得を進めており、世界の主要地域において今後想定されるサイバー保護要件の厳格化に対応可能となる見込みです。これには、米国のCyberTrustマークや、2025年に義務化が予定されているEUの無線機器指令の規定などが含まれています。

ISEO社の研究開発部門 ソフトウェア・マネージャーであるMarco Temporiti氏は、次のようにコメントしています。「当社は、STとともにデバイスのクラウド接続における課題解決に取り組みました。当社の製品は、遠隔ロック解除や新しいアクセス権の付与まで、次世代のアクセス管理システムを実現します。強力な暗号化機能を搭載したSTM32MP2マイクロプロセッサにより、卓越した信頼性とセキュリティを備えた産業グレードのゲートウェイを構築できています。また、Yocto Linuxとのシームレスな統合によって開発プロセスが効率化され、より簡単に技術革新を行うことができます。さらに、10年間の長期供給保証プログラムによって、コストを削減しつつ、長い製品ライフサイクルを確保することができるため、新たな業界標準となっています。」

S-TRACK社の最高経営責任者(CEO)であるYue XIONG氏は、次のようにコメントしています。「当社はSTと協力し、STM32MP1マイクロプロセッサを利用して、送受信時のデジタル・オーディオ信号変換などを処理する2チャネル・ネットワーク・オーディオ・アダプタを開発しました。STM32MP1シリーズを採用する決め手となったのは、強力な処理能力、Ethernetコネクティビティ、適応型のオーディオ出力インタフェースでした。現在は、STM32MP2マイクロプロセッサがもたらす可能性に注目しています。同製品は、電力効率が向上しており、密閉ケース内の冷却要件を最小限に抑えることができます。また、Cortex-Mコプロセッサを搭載しているため、別個のマイクロコントローラが不要です。PTP(高精度時間プロトコル)対応のギガビットEthernetをサポートしているため、デバイス間の正確なデータ転送および同期が可能です。当社は、この先進テクノロジーを利用して、製品構成を16チャネル製品などに拡張していくことが目標です。」

STM32MP2マイクロプロセッサは、2024年6月に量産が開始される予定です。サンプル提供および価格については、STのセールス・オフィスまでお問い合わせください。

技術情報

STM32MP2シリーズは、ST製品として初めて64bit Arm Cortex-A35コアを搭載した汎用マイクロプロセッサです。最大1.5GHzで動作し、第1世代のSTM32MP1シリーズに比べ、メイン処理機能が向上しています。

STM32MP2シリーズは、ヘテロジニアス・マルチコアCPUを採用しており、その中核となるCortex-A35コアに加え、Cortex-M33コアも搭載されています。また、GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)や、NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)、ビジュアル・プロセッシング・ユニット(VPU)も搭載されています。AI処理は、プロセッサの負荷状況やアプリケーションの要求に応じてCPU、GPU、またはNPUで実行でき、性能および電力効率を最適化します。同製品の優れた効率により、アクティブ冷却不要のシステム設計が可能で、小型化、静音化、高信頼化、低消費電力化などのメリットを提供します。

最大1080p解像度の3D GPUを搭載するとともに、パラレルLVDSおよびDSIインタフェースによるフルHDビデオ・パイプラインなど、強力なマルチメディア機能も備えています。イメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)を搭載したMIPI CSI-2カメラ・インタフェースと組み合わせることで、最先端のマシン・ビジョン・アプリケーションのサポートを強化します。また、2ポート・スイッチを備え、Ethernet TSN(Time-Sensitive Networking)に対応した最大3つのギガビットEthernetポートなど、強力な産業用インタフェースを搭載しています。さらに、PCIe Gen2インタフェース、USB 3.0インタフェース、3つのCAN-FDインタフェースも備えており、幅広い通信・制御アプリケーションに簡単に統合できます。

STM32MP2マイクロプロセッサは、STM32マイクロコントローラ(マイコン)およびSTM32マイクロプロセッサのユーザに広く普及しているSTM32Cube開発エコシステムによって全面的にサポートされています。STM32Cube開発エコシステムには、OpenSTLinuxやOpenSTDroid for Androidのサポートを含む開発ツールや、専用のソフトウェア・パッケージが含まれています。また、開発の簡略化や、開発期間の短縮に貢献する評価ボードも提供されています。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。