毎年、320万人が屋内の空気汚染に起因する病気で早期に亡くなっています。また、屋内外の大気汚染を合わせると、年間670万人の早期死亡に影響しているとされています。このような状況から、空気質モニタリングの必要性はきわめて高まっており、公衆衛生における課題となっています。STとMobile Physicsは、集積化を加速させるSTの市場ポジションを活用し、Mobile PhysicsのソフトウェアとSTのdToF(ダイレクトToF)測距センサ「VL53L8」を、Qualcomm社のスマートフォン「Snapdragon 8 Gen 3」に統合しました。このプロジェクトは、世界初の常時オンの空気質センサと煙検知器を搭載したスマートフォンとして、Qualcomm Snapdragon Summit 2023で展示されました。
Mobile Physicsの最高経営責任者(CEO)であるErez Weinrothは、次のようにコメントしています。「パーソナル環境モニタリングにより、あらゆる人が健康と安全をこれまで以上にスマートフォンでコントロールできるようになります。また、オプションとして、ユーザは周辺エリアをカバーする幅広い環境データにアクセスすることも可能です。STのdToF測距センサにより、ハイエンドの専用環境モニタに近い精度を備えた、低コストで小型のソリューションを実現することができました。」
また、Mobile World Congress 2024のSTのブース(7A61)では、ソリューションの詳細や空気質モニタリングのデモが展示される予定です。
技術情報
VL53L8は、スマート・スピーカやプロジェクタ、ノートPC、ロボット、生活家電、入退室管理システム、在室検知といったIoT機器をはじめ、さまざまな電子機器に使用されています。ハードウェアを追加せずに空気質モニタリングと防火機能を実現できるため、さらなる付加価値を提供できるようになりました。同センサのサイズは、わずか6.4 x 3.0 x 1.75mmのため、小型化が求められる幅広い機器に簡単に搭載できます。