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STLINK-V3PWRのAUX端子の使い道

       

STLINKV3-PWRは従来のSTLINKV3デバッガ・プログラマと、高精度消費電力測定ボードX-NUCLEO-LPM01Aを組み合わせたもので、コード実行とSTM32アプリケーションの消費電力をリアルタイムで同期するように設計されており、消費電力の最適化作業に特化したツールです(特許出願中)。

すべてのSTM32 Nucleoボードには、電流計を挿入できるようにジャンパピンが設けられており、通常ジャンパピンの2番ピンとSTLINKV3-PWRのOUT端子を繋ぐことで、STM32への電力供給と、その電力の測定を同時に行うことが可能になります。

しかし、この時、STM32以外の部品に対する電源、例えば、オンボードLEDのアノード側につながる電源の供給はSTLINKV3-PWRからされないため、別途用意する必要があります。STM32 Nucleoの場合は、オンボード・デバッガのSTLINKV2/3のUSB端子から供給される5Vを、オンボードの電源回路を通して供給することが可能です。

ですが、この時、通常オンボード電源回路の3.3Vなどに固定されてしまい、より低い消費電力を目指すためにVDD電圧を落として測定したい場合は、どうすればよいでしょうか。

そこで、STLINKV3-PWRのもう一つのAUX端子の出番です!

AUX端子には、OUT端子と同じ電圧、もしくは+1.6 ~ +3.6Vの範囲で100mV単位でプログラム可能な電圧を出力でき、消費電力測定に影響を及ぼしません。 このAUX端子を先のジャンパピンの1番ピンに刺すと、STM32 NucleoボードをわざわざUSBで電源供給しなくても、必要な電源の確保と測定のための電源と測定を同時に行えます。

詳しくは、STLINKV3-PWRのユーザ・マニュアルと、以下のアプリケーション・ノートをご確認ください。
UM3291:Getting started with STLINK-V3PWR firmware
AN5999:How to use STLINK-V3PWR to monitor power consumption on STM32 MCUs

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