ファームウェア：FP-AI-MONITOR1

FP-AI-MONITOR1は、STM32Cube用X-CUBE-AI拡張パッケージまたは、NanoEdge™ AI Studioで設計された、センサ･モニタリングに基づくアプリケーションの実装と開発を支援するファンクション･パックです。データ･セットの取得から物理ノードへの組込みまでの機械学習サイクルの設計全体に対応します。X-CUBE-AIは、STM32Cube拡張パッケージとして提供される組込みAI開発用ソフトウェア･ツールで、トレーニング済みニューラル･ネットワークまたは機械学習モデルの自動変換を行い、STM32マイクロコントローラ（マイコン）に最適生成されたライブラリをユーザのプロジェクトに統合します。X-CUBE-AI拡張パッケージには、PCとSTM32マイコンの両方で、AIモデルの検証が可能な機能も備わっています。また、性能計測向けのコードをユーザがわざわざ作成しなくても、STM32マイコンで性能を計測することも可能です。人間行動認識（HAR）のサンプルに使用するサポート･ベクター分類器は、X-CUBE-AIによって生成されます。その他のアプリケーションもX-CUBE-AIが生成する、MLとDNNコードによって作成可能です。NanoEdge™ AI Studio（NanoEdgeAIStudio）は、自律型機械学習ライブラリの作成を簡素化し、ターゲット･デバイス上でトレーニングを実行し、エッジ上で推論することができます。振動データとモーション･データによる状態ベースのモニタリング･アプリケーションは、NanoEdge™ AIの異常検出モデルでファンクション･パックを再コンパイルするだけで簡単に作成できます。

FP-AI-MONITOR1は、物理センサからのデータを超低消費電力マイクロコントローラ STM32L4R9ZI（最大120MHz Arm® Cortex®-M4、2MB Flash、640KB SRAM 搭載）に入力し、このマイコン上で学習セッションと推論をリアルタイムに実行します。インダストリアル･ワイヤレス･センサ･ノードSensorTile（STEVAL-STWINKT1B）には、あらゆる慣性および振動データを高い正確度と頻度で記録する、6軸 IMU、3軸加速度センサ、振動計などの産業用グレードのセンサが組み込まれています。NanoEdge™ AIライブラリの生成自体は、このファンクション･パックでは対応できないため、NanoEdge™ AI Studio（NanoEdgeAIStudio）を使用する必要があります。FP-AI-MONITOR1はノードの設定および学習と検出の管理に使用する、有線の双方向コマンドライン･インタフェース（CLI）を実装します。現場での操作を簡単にするバッテリ動作のスタンドアロン･モードでは、コンソールを使用せず、ユーザ･ボタンだけで基本的な制御が可能です。

FP-AI-MONITOR1パッケージに関する情報( STM32 MCU Wiki FP-AI-MONITOR1 user manual リンクはこちら )